ポケモンロードX・Y
ヒャッコクシティ…この町には不思議な日時計がある。ピンクに透けて輝き、宝石のように美しいこの日時計。
しかしこの日時計がいつ、何の目的で作られたのか、
また、どんな物質でできているのか。それは誰も知らない…
そんな日時計の前に一人の女性がいた。女性の周りには3体のニャスパーの姿が。
女性は目をつぶってニャスパー達と一緒に宙に浮いている。
「は!」
女性は目を開ける!
「今見えた未来!もしあれが本当ならこの世界は…」
するとケーシィを連れたサイキッカーの少年が突然現れる。
少年「リーダー。チャレンジャーが来ました。すぐにジムへお戻りください。」
「分かったわ。」
ケーシィが一瞬目を開くと二人と彼らのポケモン達の姿が消える…
第37話 ゴジカ
ヒャッコクシティジム摩訶不思議な空間に広がる迷路が特徴のエスパータイプのジム!
セレナはこのジムに挑戦している真っ最中だった!
セレナ「ジムに入ったらいきなり宇宙みたいな空間が広がったり無重力になったり…
さすがエスパータイプ専門のジムね。だけど…」
セレナはジムの奥にたどり着く!
セレナ「あれ?ここがジムのゴールだと思ったんだけど…」
すると…不思議な音がしたあと、二人のトレーナーが現れる!
「ようこそヒャッコクシティジムへ。私がジムリーダーのゴジカ。あなたは?」
セレナ「セレナです。ジム戦お願いします!」
ゴジカ「あら…あなた…」
セレナ「?どうかしましたか?」
ゴジカ「あ、いえ。何でもないわ。さ、儀式を始めましょう。」
セレナ「儀式?」
ゴジカ「お互いのポケモンの絆と強さを確かめ合う儀式…ポケモンバトルを!」
セレナ「…はい!」
審判を務めるのはゴジカと一緒にいたサイキッカーの少年だ。
審判「それではこれよりヒャッコクジム・ジム戦を開始します。
形式はシングルバトル。使用ポケモンは3体。それでは…試合開始!」
セレナ「行くよ!ヤミラミ!」
ゴジカ「行きなさい。シンボラー!」
セレナはヤミラミ、ゴジカはシンボラーを繰り出した!
セレナ(あの見た目からしてタイプはエスパー・ひこうかな…)
セレナ「ヤミラミ!シャドークロー!」
ゴジカ「避けなさい。」
シンボラーは攻撃を避ける!
ゴジカ「エアスラッシュ!」
セレナ「パワージェム!」
攻撃は相殺する!
セレナ「ヤミラミ!かげぶんしん!」
たくさんの分身ヤミラミが現れる!
セレナ「シャドークロー!」
分身達が一斉にシンボラーに襲いかかる!シャドークローが炸裂!
ゴジカ「なるほど…ならこの技はどうでしょう?ミラクルアイ!」
シンボラーの目が光る!
ゴジカ「サイコキネシス!」
シンボラーのサイコキネシスがヤミラミに炸裂!
セレナ「嘘!?」
審判「ヤミラミ戦闘不能!シンボラーの勝ち!」
セレナ「ヤミラミ!戻って休んでて。」
セレナはヤミラミをボールに戻す。
セレナ「でもどうしてサイコキネシスがヤミラミに…
あくタイプのポケモンにはエスパー技は効かないはずじゃ…」
ゴジカ「ミラクルアイは相手を見抜く技。
かげぶんしんのような技による相手の回避率の上昇を無効にし、
さらにエスパータイプの攻撃があくタイプにも効くようになる効果があるのよ。」
セレナ「そんな技が!だけどまだバトルは始まったばかり!次は…アギルダー!」
セレナはアギルダーを繰り出した!
ゴジカ「からぬけポケモンアギルダー、むしタイプはエスパーに有効ね。
だけど…シンボラーにはむしに強いひこうタイプもあるわよ?エアスラッシュ!」
セレナ「かわしてスピードスター!」
アギルダーはエアスラッシュを避けてスピードスター!シンボラーに決まる!
審判「シンボラー戦闘不能!アギルダーの勝ち!」
セレナ「よし!いいよ!」
ゴジカ「相性は良くても当たらなければ意味はないか…戻ってシンボラー。」
ゴジカはシンボラーを戻す。
ゴジカ「行け!ヤドキング!」
ゴジカはヤドキングを繰り出した!
セレナ「ヤドキングか…アギルダー!むしのさざめき!」
アギルダーのむしのさざめきがヤドキングに炸裂!
セレナ「効果は抜群!」
ゴジカ「かえんほうしゃ!」
ヤドキングはかえんほうしゃを発射する!
セレナ「かえんほうしゃが使えるのか!?でも…避けて!」
アギルダーは素早い動きで攻撃を避ける!
セレナ「素早いアギルダーには当たりませんよ!」
ゴジカ「ふふふ。それはどうかしら?」
するとかえんほうしゃが直角に曲がる!
セレナ「軌道が変わった!?」
ゴジカ「私のヤドキングはサイコパワーで技の軌道を変えることができるの。
ただしサイコパワーと併用するとパワーも落ちちゃうんだけどね。」
アギルダーは攻撃を避けるが…かえんほうしゃは次々と軌道を買え…ついに命中!
審判「アギルダー戦闘不能!ヤドキングの勝ち!」
セレナ「お疲れ様アギルダー。戻って休んでて。」
セレナはアギルダーをボールに戻す。
ゴジカ「これで2対1ね。」
セレナ「まだまだ!あたしの最後のポケモンは…こいつです!」
セレナはパンプジンを繰り出した!
ゴジカ「パンプジン…大きさはふつうのサイズかしら。
まあいいわ。ヤドキング!れいとうビーム!!」
ヤドキングはれいとうビームを放つ!
セレナ「ゴーストダイブ!」
パンプジンは影の中に消える!れいとうビームは外れる!
セレナ「いくら軌道を操れても影の中じゃ当たらない!いっけー!」
ヤドキングの影からパンプジンが飛び出し攻撃が決まる!
審判「ヤドキング戦闘不能!パンプジンの勝ち!」
ゴジカはヤドキングをボールに戻す。
セレナ「これで追い付きましたよ!」
ゴジカ「やるわね。では次は…私のパートナーでお相手しましょう!」
ゴジカが最後に繰り出したのは…
ゴジカ「このポケモンはニャオニクス。♂と♀では姿や使える技が異なるのよ。
ちなみに私のニャオニクスは♀。♀は攻撃を得意としているわ。」
セレナ「♂と♀で姿だけでなく使える技も違うポケモンがいるのか…
でも負けない!パンプジン!ゴーストダイブ!」
パンプジンは影の中に潜り…ニャオニクスの背後から飛び出す!しかし…
ゴジカ「サイコキネシス!」
攻撃が届く前にニャオニクスのサイコキネシスが炸裂!
セレナ「なに!?」
パンプジンはサイコキネシスで吹っ飛ばされる!
ゴジカ「最大パワーを発揮すればトラックをひねりつぶす程の
力のあるニャオニクスのサイコパワー!いかがかしら?」
セレナ(あのニャオニクス…パワーもすごいけど瞬発力もすごい…!
パンプジンがゴーストダイブで攻撃するために一瞬だけ
影の中から出てきた隙を狙って攻撃を決めるなんて…
どうする?影の中にいる間は攻撃されないけど
ゴーストダイブを炸裂させるためには影から出ないといけないし…そうだ!)
セレナ「パンプジン!ゴーストダイブで影に潜って!」
パンプジンの姿が再び影の中へ消える!
ゴジカ「何度やっても同じよ。」
セレナ「そいつはどうかな?そのままタネマシンガン!」
パンプジンは影の中からひょっこり顔を出して攻撃を放つ!
ゴジカ「そう来たか!ニャオニクス!サイコキネシス!」
ニャオニクスはサイコキネシスでタネマシンガンを吹き飛ばす!
しかしパンプジンはまた影に潜り攻撃は避ける!
ゴジカ「影の中から攻める…悪い手ではありませんがいずれにせよ
攻撃するには地上に体を出さなければいけません。
ニャオニクス、次にパンプジンが出てきたらサイコキネシスで引っ張り出しなさい。」
ニャオニクスはうなずく。そして…
ゴジカ「来た!」
パンプジンが影の中から姿を現す!
ニャオニクスはサイコキネシスでパンプジンを引っ張り出すが…
ゴジカ「…!?これは!」
パンプジンの姿が変化し…人形のようなものが現れる!
ゴジカ「これは…みがわり!?」
セレナ「そいつは囮だ!いっけー!」
パンプジンは影から飛び出してゴーストダイブを炸裂させる!
ゴジカ「ニャオニクス!」
審判「ニャオニクス戦闘不能!パンプジンの勝ち!
ジムリーダーのポケモンが全て戦闘不能になったため、
この勝負、チャレンジャーセレナの勝利!」
セレナ「やった!」
ゴジカ「ニャオニクス。お疲れ様。」
ゴジカはニャオニクスをボールに戻す。
ゴジカ「セレナさん。見事なバトルだったわ。
私に勝った証、サイキックバッジ。受け取りなさい。」
セレナはゴジカからサイキックバッジを受けとる。
セレナ「ありがとうございます!よーし、サイキックバッジ、ゲットだよ!」
ジム戦が終わりセレナが帰ったあと、ゴジカはジムの一室にいた。
ゴジカはエスパータイプのポケモンを借りることで少し先の未来を
見通す能力を持っており、普段はこの力を使って占い師をしているのだ。
彼女が入った部屋は普段は占いをするのに使っている部屋だ。
ゴジカ「あの時見えた未来…」
ゴジカは先ほど見えた未来のことを思い出す。それは…
カロス地方に降り注ぐ巨大な閃光。光を浴び、カロス地方は滅びる…
しかし滅びたカロスの大地に一人の少女がいた。ルカリオを連れた少女の名は…
ゴジカ「セレナ…あの子がカロス地方の運命を決めるのかもしれないわね…」